日系、中国系、アイルランド系、出自に様々なルーツを持つ8人のアメリカの高校生たちが、原爆の是非についてディベートする。
原爆肯定派も否定派も、どちらの主張にも根拠があり意見がある。
ただ、肯定派も否定派も「私たちはあやまちを繰り返さない」ことを強く願っている。
はげしいディベートの結果、勝敗の行方はいかに!?
私は広島県出身です。毎年8月になると小学生の頃の8月6日の記憶が蘇ります。今はどうか分かりませんが、広島に住む子どもたちは、長い夏休みの中で8月6日だけは必ず登校日でした。広島に原爆が投下された8時15分、全校生徒が集まって校庭で黙祷をささげるのです。
その後、戦争にまつわる映画を観るのですが、その内容が辛すぎていつも泣いていたことを思い出します。
久しぶりにお友達に会えて嬉しいのに、映画の中の悲惨な現実が脳裏に焼き付いて複雑な気持ちになったことを覚えています。
広島と長崎に原爆が投下されてから78年が経ちました。しかし今も、世界に平和は訪れていません。世界中のあちこちで戦争が起こっています。日本人である私たちは、無条件に原爆否定派が大半かと思います。
しかし、この本の原爆肯定派の高校生たちの意見にも耳を傾けてみると、気づかされることがたくさんあります。肯定派も否定派も、決して戦争など望んでいないのです。
いつの時代もどんな時も、暴力の連鎖を断ち切るには、意見の違う相手にも耳を傾け、敬い、許し、愛することこそが大切、そんな気持ちに気づかせてくれる一冊です。
中学生からおじいちゃんおばあちゃんまで、ぜひ家族皆で読んで、家族でディベートをしてみてください。