高校1年生のヒロは、友人の杉森くんを殺すことにした。この一大決心を兄のミトさんに電話で伝える。するとミトさんは「やりのこしたことをやっておくこと」と、「なぜ、杉森くんを殺すことにしたのか、きちんとまとめておくこと」を助言する。ヒロは、そんなミトさんのアドバイスを実践してしくのだが…。
これは、強いインパクトを与えるタイトルから想像される残虐的な物語ではありません。主人公のヒロが、杉森くんと呼んでいた友だちに対する思いを「殺す」という言葉で表現するに至るまでの切実な思いがつづられた物語です。
読み進めていくうちに、少しずつヒロと杉森くんの間に起こった出来事が分かってきます。もしかしたら、しんどいと感じる人もいるかもしれません。
でも、この物語が、友だち関係や距離の取り方について考えるきっかけとなるのではないかとも思います。
多くの方にぜひ読んで欲しい一冊です。