2023年03月の一冊

2023年03月の一冊

『きみの声を聞かせて』

偕成社(外部サイトにリンクします)

小手鞠るい

『きみの声を聞かせて』

最近、ティーンズ本を乱読しています。片っ端からジャンルを問わず読み漁っています。週に何冊も読んでいるので、つい先週読んだ本が何だったのか覚えていないこともよくあります。タイトルを見ても数行読んでも、思い出せないことだって多々あります。

 

そんな中で印象に残る本もあります。きっとそんな本こそ私の心に残った一冊なんだと思います。それが小手鞠るいさんの本であることが多く、彼女の本に出会うたびにワクワクします。今日は、そんな小手鞠ファンの私が推す一冊をご紹介したいと思います。それが『きみの声を聞かせて』です。

 

この本は、突然声が出なくなった日本に住む少女とアメリカでピアノを弾く少年の物語です。ふたりはSNSで知り合い、少年が音楽を送り、少女が詩で返事をすることで関係を深めていきます。そんな交流の中で、少年のある告白により、少年と交流を続けていけなくなってしまいます。そんな矢先、少年は日本でコンサートを開くことになります。はたして二人の関係はどうなっていくのでしょうか…というような内容です。

 

とてもかわいらしい心ときめく物語で、最後はホロっとしてしまうストーリーです。ふたりの出会い方や心の深め合い方はとても現代的で、引っ込み思案な日本の少女と心に闇を持ちつつアメリカで育った少年が、たがいのちがいを尊重しながら近づき合う様子もリアルです。こんな出会いがあったらいいなぁと思ってしまうような話です。

 

たまには胸キュンしたい!という方におすすめです。わかりやすい言葉でつむがれた本なのでスーッと読むことができるはずです。ちょっとした隙間時間ができたらぜひ手に取ってみてください。

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