温かい日も多くなり、冬から春への移り変わりを感じる時期になりました。
この時期にぴったりな、読むとほのぼのした気持ちになれる物語を紹介します。
主人公であるタクシー運転手の松井さんが不思議なお客を乗せるファンタジーの連作短編集です。
タイトルにもなっている「白いぼうし」は教科書で読んだ覚えがある方も多いかもしれません。
ほのぼのとした「白いぼうし」のようなお話もあれば、「すずかけ通り三丁目」のような戦争の悲しみのお話まで、色々な味わいの短編が8つ入っています。
ぜひ、自分の好きな話を探しながら読んでみてください。
お客さんが変身した動物だったり、走っているうちにタクシーが時間を超えたりと、松井さんはどんなに不思議なことにあってもあまり驚かず、おだやかに受け止めています。読んでいるうちに、不思議なことはすぐ近くで起こっているのかもしれないという気分になれるのは、そんな松井さんの世界への温かな目線を感じ取れるからでしょう。
読み終わると、自分にも何か不思議な面白いことが起きるかもしれないと、外に出て散歩をしたくなるような春にふさわしい物語です。
