北の海に住んでいる人魚が自分の子どもを人間に育ててもらおうと神社に置き去りにしました。海で寂しく暮らすよりもにぎやかな人間の街で幸せになってほしいと願ったのでした。
蝋燭屋の老夫婦に拾われた人魚の女の子は大切に育てられ、成長すると店の蝋燭に絵を描くようになります。蝋燭に赤い絵の具で魚や貝を上手に描き、評判になります。
しかし、その評判が逆に人魚の少女を悲しい運命へと導くのでした。
文豪の名作が美しい絵と一緒に楽しめる「乙女の本棚」シリーズの一冊です。
人魚の少女のけなげさ、子どもに幸せに生きてほしいと願う人魚の親心と、初めは人魚の少女を可愛がっていた老夫婦がお金につられて少しづつ変わっていき、ついには少女を売りとばすまでになる薄情さの対比が心に残ります。
少しゾッとするような終わり方ですが、最後のページのイラストで心があたたまり、文章と絵のコラボレーションを実感する一冊です。
ちょっと難しい内容の名作も美しい絵で手に取りやすくなるシリーズです。30作以上あるので、ぜひ、気になった作品にチャレンジしてみてください。
