今年の7月、絵本作家・林明子さんの訃報をネットニュースで知りました。
林さんの代表作「こんとあき」は1989年の発行以来、ロングセラーとなって子どもから大人まで読む人を魅了し続けています。(出版元の特設サイトもあるし、グッズもいろいろある!)
砂丘のある街に住むおばあちゃんから贈られたぬいぐるみのきつね・こんと、生まれた時から一緒に過ごしてきた女の子あき。
古くなったこんの腕のほころびを直してもらうため、2人でおばあちゃんのもとへ旅に出かけていく——というストーリー。
私が林さんの存在を初めて知ったのが、友人から贈られた本作でした。
手もとの絵本にある奥付には、”1990年4月10日第7版”とあります。
仕事や将来のことで悩んでいた頃と重なります。
あきが不安になったり心配したりすると「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と励ましてくれるこんの姿に、”I’m on your side”と見守ってくれた友人の心遣いが重なり、じんわりと温かい気持ちになったものです。
今も時折読み返す一冊となりました。
ページをめくるたびに飛び込んでくる、物語に見事にマッチした情景の数々。
次はどうなるのかな?と、あきと一緒になってドキドキする展開。
個人的にはドアにしっぽをはさまれ、2人分の駅弁を持って所在なさげにしている、こんの表情と姿がツボです。
子どもの頃に大事にしていたぬいぐるみ、やさしいおばあちゃん、未知なることとの出会い。
そんな懐かしさは多くの人々の共感となって、広く愛されている理由のひとつとなっているのでしょう。
あきのぷっくりしたほっぺ、こんのふわふわ感など、温かみのある絵のタッチも心をときめかせてくれます。
色あせることのない一冊、改めてページをめくってみてはいかがでしょうか。
